About

三澤玖玖
 1992年群馬県生まれの三澤玖玖は風や空気の流れ、その場の空気感など知覚しながらも不可視の存在を可視化することをテーマとし、現在は品川で活動しています。

三澤の初期の白い作品は、アルコールインクアートというアルコール性のインクを無水アルコールで溶かし、それをドライヤーの風や自身の息を使って描く方法を用いて作品を制作していました。

 その後、アルコールインクアートではアクセントカラーとして使用していた顔料をメインにした黒い作品を独自の方法で生み出しました。アルコールインクを使うことをやめ、インクを溶かし流すことではなく風で描くことに焦点をあてたのです。それが「Nieum」シリーズです。2023年より描いており、そこから真鍮粉や金色の顔料だけを使用した「悉皆金色」シリーズが加わり、さらに銀色の顔料だけを使用した「錵」シリーズも誕生しました。

 2025年には自身の内面と呼吸の不可視性に注目した「カガ」シリーズの制作も始め、三澤の生み出す作品は多彩な顔料で構成され独自の世界観を展開しています。